平成24年度川崎市化学物質環境実態調査の結果について
- 公開日:
- 更新日:
川崎市では、内分泌かく乱作用等の有害性や、PRTR*データ等を考慮して選定した未規制の化学物質について、環境調査を実施し、市内の実態を把握しています。平成24年度は下記の物質について、市内の大気、水質及び底質を対象に調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。
*PRTR制度:有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所外に運び出されたかというデータを把握、集計し、公表する仕組み。
物質名 | 調査媒体 | 大気への排出量*1(kg/年) | 公共用水域への排出量*1(kg/年) | 備考(用途等) |
---|---|---|---|---|
1-ブロモプロパン | 大気 | 2,870 | 3.54 | 合成原料(医薬、農薬、感光剤) |
アクリル酸2-ヒドロキシエチル | 大気 | 1.0 | 0 | アクリル樹脂、接着剤、乳化剤の原料 |
キシレン | 大気 | 470,000 | 879 | 合成原料 |
エチルベンゼン | 大気 | 204,000 | 0 | 合成原料 |
酸化プロピレン | 大気 | 11,800 | 0 | 合成原料 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) | 河川水質 海域水質 海域底質 | 0 | 0 | メッキ薬、半導体製造用、消火剤 |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA) | 河川水質 海域水質 海域底質 | -*2 | -*2 | 界面活性剤、消化剤 |
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) | 河川水質 | 0 | 918 | 加工剤、安定剤、重合開始剤 |
クロトンアルデヒド(2-ブテナール) | 河川水質 海域水質 | 0 | 0 | 合成原料(ブタノール、医薬品) |
1,3,5-トリメチルベンゼン | 河川水質 | 18,800 | 1.0 | 合成原料、アルコールの変性剤 |
ピリジン | 河川水質 海域水質 海域底質 | 4.56 | 33.1 | 合成原料、ガソリン成分、溶剤 |
アセトアルデヒド | 河川水質 海域水質 海域底質 | 203,00 | 634 | 合成原料、農薬、香料、還元剤、防腐剤 |
ビスフェノールA | 河川水質 | 49.5 | 3.32 | 合成原料、魚類に対して内分泌かく乱作用を有すると推察されている物質 |
ノニルフェノール | 河川水質 | 28.1 | 0.06 | 界面活性剤、魚類に対して内分泌かく乱作用を有すると推察されている物質 |
4-t-オクチルフェノール | 河川水質 | -*2 | -*2 | 合成原料、魚類に対して内分泌かく乱作用を有すると推察されている物質 |
17β-エストラジオール | 河川水質 | -*2 | -*2 | 天然女性ホルモン |
エストロン | 河川水質 | -*2 | -*2 | 天然女性ホルモン |
エストリオール | 河川水質 | -*2 | -*2 | 天然女性ホルモン |
エチニルエストラジオール | 河川水質 | -*2 | -*2 | 合成女性ホルモン |
*1:化管法に基づく平成22年度実績の届出排出量及び届出外排出量の合計値です。(PRTRに関するページはこちら)
*2:‐と表示されている物質は、PRTR対象外の物質であるため、排出量データがありません。

調査結果

大気
平成24年度の調査内容は以下のとおりです。
1-ブロモプロパン及びアクリル酸2-ヒドロキシエチルについては3地点で年2回、キシレン、エチルベンゼン及び酸化プロピレンについては、4地点で月1回調査を実施しました。
物質名 | 大師 測定局 (夏季) | 大師 測定局 (冬季) | 中原 測定局 (夏季) | 中原 測定局 (冬季) | 多摩 測定局 (夏季) | 多摩 測定局 (冬季) |
---|---|---|---|---|---|---|
1-ブロモプロパン | 0.033 | 0.56 | 0.12 | 0.53 | 0.086 | 0.54 |
アクリル酸2-ヒドロキシエチル | <0.054 | <0.038 | <0.054 | <0.038 | <0.054 | <0.038 |
<:検出下限値未満
試料採取日
- 1-ブロモプロパン:平成24年7月10日、11月6日
- アクリル酸2-ヒドロキシエチル:平成24年7月18日、11月13日
物質名 | 大師測定局 (最小値、最大値) | 大師 測定局 (年平均値) | 中原測定局 (最小値、最大値) | 中原 測定局 (年平均値) |
---|---|---|---|---|
キシレン | 1.9~12 | 4.0 | 1.9~11 | 4.6 |
エチルベンゼン | 1.5~10 | 3.3 | 1.6~10 | 4.0 |
酸化プロピレン | 0.022~0.58 | 0.1 | 0.0074~0.15 | 0.053 |
物質名 | 多摩測定局 (最小値、最大値) | 多摩 測定局 (年平均値) | 池上測定局 (最小値、最大値) | 池上 測定局 (年平均値) |
---|---|---|---|---|
キシレン | 2.5~13 | 7.2 | 2.4~15 | 5.6 |
エチルベンゼン | 1.5~6.2 | 3.6 | 1.7~13 | 4.6 |
酸化プロピレン | 0.012~0.12 | 0.044 | 0.034~0.14 | 0.086 |
試料採取日:各測定局で月1回実施


河川

水質(河川)
平成24年度は下記の14物質について調査を実施しました。
物質名 | 三沢川 (一の橋) | 平瀬川 (平瀬橋) | 麻生川 (耕地橋) | 矢上川 (日吉橋) |
---|---|---|---|---|
エチレンジアミン四酢酸 | 16 | 20 | 210 | 24 |
クロトンアルデヒド | <0.0009 | <0.0009 | <0.0009 | <0.0009 |
1,3,5-トリメチルベンゼン | <0.041 | <0.041 | <0.041 | <0.041 |
ピリジン | <0.02 | <0.02 | 0.06 | <0.02 |
アセトアルデヒド | <0.3 | <0.3 | <0.3 | <0.3 |
PFOS | 0.017 | 0.026 | 0.0099 | 0.031 |
PFOA | 0.0097 | 0.011 | 0.013 | 0.012 |
ビスフェノールA | 0.04 | 0.25 | 0.03 | 0.19 |
ノニルフェノール | 0.3 | 0.3 | 0.8 | 0.4 |
4-tert-オクチルフェノール | <0.01 | <0.01 | <0.01 | <0.01 |
17β-エストラジオール | <0.00005 | 0.00014 | 0.0014 | <0.00005 |
エストロン | 0.00062 | 0.00054 | 0.004 | 0.00041 |
エストリオール | 0.0018 | 0.0011 | 0.0009 | 0.002 |
エチニルエストラジオール | <0.00009 | <0.00009 | <0.00009 | <0.00009 |
<:検出下限値未満
試料採取日:平成24年7月24日


海域

水質(海域)
平成24年度は下記の6物質について調査を実施しました。
物質名 | 京浜運河 千鳥町 | 京浜運河 扇町 | 扇島沖 |
---|---|---|---|
クロトンアルデヒド | <0.0009 | <0.0009 | <0.0009 |
1,3,5-トリメチルベンゼン | <0.041 | <0.041 | <0.041 |
ピリジン | 0.06 | 0.07 | 0.09 |
アセトアルデヒド | 0.3 | 0.3 | <0.3 |
PFOS | 0.0043 | 0.0073 | 0.0017 |
PFOA | 0.0042 | 0.0039 | 0.0022 |
<:検出下限値未満
試料採取日:平成24年8月30日

底質(海域)
平成24年度は下記の4物質について調査を実施しました。
物質名 | 京浜運河 千鳥町 | 京浜運河 扇町 | 扇島沖 |
---|---|---|---|
ピリジン | <1.1 | <1.1 | <1.1 |
アセトアルデヒド | 91 | 37 | 58 |
PFOS | 0.51 | 0.36 | 0.43 |
PFOA | 0.092 | 0.l1 | 0.096 |
<:検出下限値未満
試料採取日:平成24年8月30日

関連記事
- 測定物質リスト
調査を実施した物質の一覧を掲載しています。
お問い合わせ先
川崎市環境局環境対策部地域環境共創課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2532
ファクス: 044-200-3921
メールアドレス: 30kyoso@city.kawasaki.jp
コンテンツ番号49291
