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シッシー君の文化財探訪日記 「川崎市市民ミュージアム収蔵資料紹介(生田古墓群生田8601番地古墓出土火葬骨蔵器)」

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シッシー君 自画像

 川崎市内の豊かな歴史や魅力を物語る文化財や博物館等の情報を、川崎市文化財キャラクターのシッシーくんがご紹介します。

 【シッシーくん】
 市域3か所に伝わる獅子舞から生まれた文化財の精。川崎市の文化財保護推進キャラクター。
 性格はおっちょこワイルド。好物はかわさき育ちの野菜・果物。口癖は「シッシッシー」。

2023年3月10日川崎市市民ミュージアムを訪問しました~収蔵品を紹介します(6)~

 こんにちは、シッシーです。

 桜の開花が近づくこの時期は、花粉症の人も多いですね。ボクは目も鼻も大きいけど、かわさき育ちの野菜や果物を食べて健康だっシー。

 今回も川崎市市民ミュージアムを訪問してきました。休館中の市民ミュージアムでは、考古資料の再整理作業を行っています。

  作業の中で学芸員の目にとまった資料を皆さんに紹介するっシー!シッシッシー~。

 

「南生田古墓群について」

 皆さん、こんにちは。教育委員会事務局文化財課学芸員の竹尾です。

 今回は、多摩区の南生田古墓(こぼ)群から出土した石櫃(いしびつ)と骨蔵器と(こつぞうき)を紹介したいと思います。

  古墓とは、一般的には飛鳥時代以降中世くらいまでの墓のことを指します。この古墓は、現在の、多摩区南生田6丁目5番地周辺で発見されました。おおきくひらけた台地の南斜面にあり、麓には平瀬川が流れています。ここから石櫃と、骨蔵器が出土しました。

石櫃の画像

 石櫃の本体は一辺が約28cmで高さは27cmの大きさです。中央には遺骨を納めていたと思われるくぼみが刳(く)り抜かれています。蓋の中央にはほぼ正方形のツマミが作り出されています。それぞれの角は面取りが施されていました。石材は割と加工しやすい凝灰岩を使っています。

  なお、多くの骨蔵器は、土師器(はじき)と呼ばれる素焼きの焼き物や、須恵器(すえき)と呼ばれる窯で焼いた固い焼き物を使用していますが、石櫃は極めて珍しい出土品です。

 

こつぞうきの画像

 この石櫃から2m離れた地点に、蓋のついた骨蔵器がありました。壺のなかには成人男性の火葬骨と鹿角製刀子柄 (ろっかくせいとうすえ)(小刀の柄)が入れられていました。

 この古墓の年代は、須恵器の形から8世紀代中ごろのものと考えられます。

 墓誌(ぼし)などはありませんが、副葬品として刀子の柄が納められていたことで被葬者が木簡(もっかん)を削って書類作成していた役人であったことが推察できます。 石櫃の被葬者もこの南生田地域の有力な人物であったことと思われます。近くに埋められていることから、親族であったかもしれません。

 それでは日本では、火葬はいつ頃から行われていたのでしょうか。

 昔の歴史書の「日本書紀」(720年)には奈良の元興寺を開いた僧の道昭(どうしょう)(629~700年)が火葬にされた記述が残っており、702年に亡くなられた持統天皇も火葬されたそうです。この頃は、特別な人物にかぎって火葬されていたようで、庶民にはまだ広まりませんでした。平安時代以降、仏教の普及とともに、火葬による埋葬が一般的になってきました。

 今回紹介した骨蔵器は、正式には、川崎市重要歴史記念物「生田古墓群生田8601番地古墓出土火葬骨蔵器」といいます。この古墓群以外の古墓7か所の骨蔵器も「市重要歴史記念物」として指定されています。

   いかがでしたか?

  また機会がありましたら、それらの紹介をしていきたいと思います。

 

 

 

お問い合わせ先

川崎市教育委員会事務局生涯学習部文化財課

〒210-0004 川崎市川崎区宮本町6番地

電話: 044-200-3306

ファクス: 044-200-3756

メールアドレス: 88bunka@city.kawasaki.jp

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