シッシー君の文化財探訪日記 2025年3月
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川崎市内の豊かな歴史や魅力を物語る文化財や博物館等の情報を、川崎市文化財キャラクターのシッシーくんがご紹介します。
【シッシーくん】
市域3か所に伝わる獅子舞から生まれた文化財の精。川崎市の文化財保護推進キャラクター。
性格はおっちょこワイルド。好物はかわさき育ちの野菜・果物。口癖は「シッシッシー」。
こんにちは、シッシーです!
今年のお花見はどこへ行こうか、ワクワクしてるっシー!
みなさんのお気に入りのお花見ポイントはどこかな?
考古資料の収蔵施設に行ってきました!
川崎市内にある考古資料の収蔵施設にお邪魔してきたっシー。
ここには市内からの出土品が保管してあって、学芸員が管理しているよ。今日は金属製品の状態を確認しているとのこと。錆(さび)の進行具合や劣化の度合、破損状況などを見ながら記録をとっているよ。手遅れになってはいけないので、タイミングを見計らって、専門の業者さんに頼んで、クリーニングと劣化防止の保存処理を行ってもらうんだって。
銅製品の中に、時代劇で見かけるようなお金がたくさんあったよ。お金には文字が刻印されていて、それによって、いつの時代に造られたものか分かるんだ。中国で造られて日本に渡ってきたお金もあったけど、今日は日本のお金・寛永通宝(かんえいつうほう)について調べてみたよ。
江戸時代のお金・寛永通宝
寛永通宝とは江戸時代に広く流通したお金です。鋳造期間は寛永13年(1636年)~幕末までとされて、幕府直営の鋳造所以外に諸藩でも幕府の許可を得て鋳造されていました。そのため、質やデザインにバラつきがあり、それにより、鋳造時期や鋳造場所が判明するものもあります。材質は銅、鉄、真鍮があります。

「ス」と「ハ」
1636~1659年に鋳造されたものは古寛永(こかんえい)、1668年以降に鋳造されたものは新寛永(しんかんえい)と呼んでいます。
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ならべてみると「寛永通宝」の文字の書体が同じではないみたい…
簡単な見分け方として、「寶」の字の「貝」の下の部分が「ス」みたいになっていると古寛永、「ハ」みたいになっていると新寛永だそうだっシー。博物館に行ったら、確認してみたいっシー!
裏返してみると・・・
模様があったり、なかったり、はたまた文字があったり。
寛永通宝は1枚が1文として通用していましたが、1768年に四文銭が登場しました。
四文銭には裏面に波の模様が入っており、一文銭より一回り大きくなっています。

無文
一文銭
麻生区宮添遺跡出土

波文
四文銭
麻生区谷ツ遺跡出土
また一文銭の裏面の文字がある場合、それは鋳造時期や鋳造場所を示しています。

「元」
元文6年に大阪で鋳造された高津銭
麻生区宮添遺跡出土

「小」
江戸の本所小梅村で鋳造された小梅銭
川崎区八丁畷出土
これ以外にも背面の文字は「仙」(仙台石巻銭)や「佐」(佐渡銭)、「足」(足尾銭)、「長」(長崎銭)
などの鋳造地を表したものもあります。
川崎市内出土の寛永通宝は・・・
錆で覆われ、確認できないものもたくさんあります。
クリーニングを進めていくと、また新たな発見があるかもしれません。
昭和初期までは流通しており、法律的に使用できなくなったのは昭和28年だそうだから、
もしかしたらみんなのおうちにも、どこかに寛永通宝が眠っているかもしれないよ!
見つかったら、表と裏をよく観察してみてほしいっシー!
お問い合わせ先
川崎市教育委員会事務局生涯学習部文化財課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-3305
ファクス: 044-200-3756
メールアドレス: 88bunka@city.kawasaki.jp
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