関戸秀美 神社寺院銅板屋根工事 工房関戸 川崎市多摩区 平成13年度認定かわさきマイスター
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かわさきマイスターのシンボルマーク
ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。

関戸秀美(せきどひでみ)

平成13年度認定かわさきマイスター 職種:神社寺院銅板屋根工事 川崎市多摩区

迎賓館赤坂離宮・鶴ヶ岡八幡宮・大山阿夫利神社を始め、全国の神社、仏閣、宮殿の修理改修に携わり、技能の研鑚をしてきた。特に高欄飾りである「宝珠」などを作る槌起の技能をマスターし、神社などの銅板屋根工事の全てを芸術的に仕上げる。日本独特の社寺建築である桧皮葺の屋根の形状等を銅板葺で作り出す加工にも卓越した技能を持つ。建築関係の伝統技術の伝承にも熱心である。
多摩区在住。工房関戸経営。

仕事をはじめたきっかけは
母の実家近くで、叔父が建築板金業をしており、幼い頃から遊びに行って職人になると周りに言っていました。昭和38年に弟子入りすると、叔父(親方)が厳しい人に変わり、厳しくも良く仕事を教えてくれました。年に1、2回神社の仕事があったことがきっかけで、その仕事に興味を持ちました。
7年を経て社寺専門の小野工業所に入社し、初めての仕事が、赤坂迎賓館(昭和の大改修)でした。よい指導者に恵まれ、特殊な技術を学ぶことができました。その後独立し、銅板屋根工事を主として現在に至っております。

仕事をする上で1番おもしろいとかんじることは
隅々まで気を遣って完璧に近い仕上げで納められたときは、やりがいを感じております。どんなところでも、完璧さを求める性格で、屋根の上に飾る宝珠等(既製品)もありますが、屋根の形状に合わないと思うと商売を度外視して自分で造ることもあります。常に悔いない仕事をしておきますと、後で見に行く楽しみが出てきます。
あと、他業者が手が出ない品物を、業者や問屋からたらい回しで持ち込まれることがよくあり、それをやり遂げた時、必ず昔その技法を教えてくれた人を思い浮かべ感謝しています。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来た理由は
仕事を始めて50年弱。他の道に行こうと思ったことはありません。恵まれた事に技術を見込んでくれた得意先があった事でめぐり合わせといつも思うのですが、多くの寺社の仕事を全て一人で気に入る様に工期も無理もいわずにやらせてもらえた。この環境が仕事を進めるに当たっての余裕と向上心につながるものがあったと思っております。

関戸さんが自分自身で誇れる技術は
銅板屋根葺きでは常にひずみを極力出さないで仕上げる事を念頭に置いてやってきました。それに必要な技術で絞りがありその技術を習得できたことです。この技術が確実でないと特に宮殿建築の飾り仕事は手を出せません。この技法は薄物の絞り技法です。また、厚物の鉄、銅、金、銀、四分一、赤銅等の金属を絞る(槌起)の技術も習得できた事で宝珠、擬宝珠、社寺の飾り金具、茶道具(創作)、調理道具等が製作可能になり仕事の幅が広がったこと、このことで作品展等に参加ができ評価も頂くことができました。

ものづくりの魅力とは
社寺建築の美しい屋根の曲線、この曲線を銅板を葺くための割り込みによって更に引き立てる墨出しをする時が魅力です。しかし責任も重大です。又銅板屋根材である薄板は「歪」が出やすく扱いにくい厚さでもありますが、「歪」も出さず思い通り現場の作業が終了したときの達成感は、格別なものがあり、その過程での緊張感も魅力です。




今後、ものづくりを目指す方へ
「いかに矛盾に耐えてこられたかが職人です。」今はいろいろの面が変わってきて建築の様式、工法にも変化があり、職人にも変化が現れ、既製機械加工品の取り付けが主流で、能率重視の分業化された時代で「これはできてもこれはだめ、できないものは他社に頼めばそれですむ。」という考えが増えてきました。このような考えは昔、「のれんの恥」だったんです。若い人は特に(伝統技術)関係の仕事の場合は、真摯に学び継承される様努力されることが大事だと思います。

下記サイトでは関戸さんの技術を映像やマンガでお伝えしています
平成13年度認定かわさきマイスター 関戸秀美(神社寺院銅板屋根工事) (Youtube動画外部リンク)
川崎純情小町のThe職人魂「かわさきマイスター関戸秀美(神社寺院銅板屋根工事)」 (Youtube動画外部リンク)
関戸秀美さん紹介マンガ (PDFデータ)

問合せ先
工房関戸
- 多摩区戸新町67-1
- 電話 044-922-5064
- ファクス 044-922-5064
- 営業時間 午前8時~午後5時
- 休み 日曜日・祝日
お問い合わせ先
川崎市経済労働局労働雇用部技能奨励担当
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2242
ファクス: 044-200-3598
メールアドレス: 28roudou@city.kawasaki.jp
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