若林近男 表具師 若林表具店 川崎市幸区 平成13年度認定かわさきマイスター
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かわさきマイスターのシンボルマーク
ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。
若林近男(わかばやしちかお)
平成13年度認定かわさきマイスター 職種:表具師 川崎市幸区
掛け軸・襖・屏風など表具師の仕事の中でも、経験と技術が必要である修復に素晴らしい技能を発揮する。表装を損傷せずに剥がすことから新たな生地選びから糊貼りまで細心の技で作業を行う。熟練した技能により、古来の作品から現代のクロス貼りまで正確且つ繊細な仕事に顧客からの信頼も厚い。伝統ある技能の伝承に熱心であり、後継者の指導にも積極的な職人である。
幸区在住。若林表具店経営
仕事をはじめたきっかけは
上京した頃、知合いの経師屋から「やってみないか」と誘われ弟子入りしたのが始まりです。そこで12年ほど住み込みで修行し、30歳の時に独立しました。その後も研究会の仲間に入って腕を磨き、ここへ来てもう40年近くになります。途中、クリーニング店をやったり布団の綿工場で働いたこともありますが、最終的に経師屋に落ち着いたという感じですね。
仕事をする上で1番おもしろいと感じることは
やっぱり、ふすまなど張り替えたあと、お客さんに喜ばれる事ですね。建て付けが悪い時などは、カンナなどを使って、そこをまず直してから取りかかりますから、ぴったり納まるようになったと評判がいいです。良いふすまを作りたいですから、上張りのいい素材を使います。成し遂げた時の満足感は何物にも変えがたいですね。
長年、技能研鑽に努めることができた理由は
見習いの頃はふすま張りを中心に、12年間夢中で技能を磨きました。表具師になるには大体このくらいの期間が必要です。逆にそれだけ長期間経験しないと一人前にはなれないということです。それが嫌なら仕事は覚えられません。親方の真似だけではダメで、自分で研究し工夫する気がないと上達しません。特に、掛け軸は研究が欠かせません。掛け軸専門の勉強会を開いたこともあります。今あるのも、これまでかけてきた時間と忍耐力、向上心の賜物だと思います。
若林さんが自分自身で誇れる技術は
掛け軸、ふすま、屏風、額など表装全てに自信があります。なかでも修理・修復にかけては、誰にも負けない技術を持っていると自負しています。マイスターをいただいたきっかけも屏風の修復技術でしたし、修復は職人としての誇りです。掛け軸など修復を依頼される品物はお客さんにとっては何十年も大事に持っておられた宝物ですが、たいていは管理が悪いため相当痛んでいます。それを元通りにして、保存の仕方まで教えます。
ものづくりの魅力とは
やっぱり仕事を成し遂げた時の満足感です。壁紙で言えば、柄物のつなぎ目を1枚1枚うまく合わせることが技術であり、ぴったりと貼り終わった時はホッとすると同時に、達成できたという高揚感とやりがいを覚えますね。昔は豪華な造りの家が多く、暖炉があったり内装には超一流の素材が使われ仕上げるのに神経を使いましたが、逆に職人としてのやりがいを高めてくれましたね。
今後、ものづくりを目指す方へ
その仕事をやり遂げる精神があるかどうかが大事だと思います。表具師になろうと思うなら、不器用ではダメです。適性もあると思いますし、趣味としてできるのもいいですね。たった一人だけの親方について長く修行するのではなく、研修会に参加したり作品展に出したりするなど、技術を磨くのに幅広い行動をとるのが必要なのではないでしょうか。「井の中の蛙」では駄目なんです。ただ学校を出て1年でできる仕事ではありませんね。
下記サイトでは若林さんの技術をマンガや動画でお伝えしています
平成13年度認定かわさきマイスター 若林近男さん(表具師) (Youtube動画外部リンク)
若林近男さん紹介マンガ(PDFデータ)
問合せ先
若林表具店
- 幸区古市場2-89
- 電話 044-522-8933
- ファクス 044-555-7876
- 営業時間 8:00~18:00
- 休み 日・祝
お問い合わせ先
川崎市経済労働局労働雇用部技能奨励担当
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2242
ファクス: 044-200-3598
メールアドレス: 28roudou@city.kawasaki.jp
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