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水素サプライチェーン構築モデル

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世界初の国際間の水素サプライチェーン実証(AHEAD)

 千代田化工建設株式会社を始めとする次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)が、水素の国際的なサプライチェーンの構築する実証事業を行いました。この実証事業では、令和元(2019)年にブルネイ・ダルサラーム国内に水素化プラント、川崎市臨海部に脱水素プラントを建設し、さらに令和2(2020)年から同国内で調達した水素を常温・常圧下の液体で川崎臨海部まで海上輸送し、気体の水素に戻して発電に活用しました。

(この実証事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け取り組んでいるものであり、2021年3月に終了しています。)

ブルネイの水素化プラント

ブルネイ水素化プラント
(AHEAD提供)

川崎の脱水素プラント

川崎脱水素プラント
(AHEAD提供)

実証事業の概要

 水素エネルギーは、使用時にCO2を発生させないため、脱炭素社会実現の切り札として注目されています。国は、水素基本戦略で掲げた2030年頃の水素発電の商用化に向けて、技術の確立及び水素の調達コストの低減を推進しています。

 将来、海外で再生可能エネルギー等から安価な水素が大量に製造されることが見込まれており、経済的かつ安定的な水素の調達先として海外由来の水素が有望です。ところが、水素を気体のまま運ぶには膨大な容積が必要となるため、海外から大量かつ効率的に輸送し、貯蔵する技術の確立が必要です。本実証事業は、ブルネイで製造した水素をメチルシクロヘキサン(MCH)に変換することで常温・常圧で液体として運搬し、川崎臨海部の発電所で利用するものです。

実証事業の概要

(1) ブルネイにおいて、製造した水素トルエンを結合させ、MCH(メチルシクロヘキサン)に変換することで常温・常圧で液体になります。

(2) MCHを船で川崎臨海部まで運び、

(3) トルエン水素を分離した後、水素を発電に利用します。

(4) トルエンはブルネイに戻し、MCH製造に再利用します。

実証事業の経過及び規模等

(1) 経過・予定

2015年~17年 技術検証に向け、スケールアップ検討、触媒の耐久性検討等

2019年    ブルネイ・ダルサラーム国に水素化プラント、川崎市臨海部に脱水素プラントを建設。

2020年4月  ブルネイで調達した水素を川崎市臨海部に運搬し、水素を分離

2020年5月 東亜石油(株)の発電施設で水素を用いた発電を実施

2021年3月  実証事業を終了

(2) 実証規模

最大210トン(燃料電池自動車 約4万台分)/年の水素供給能力

(3) 水素供給源

Brunei LNG社の天然ガス液化過程で発生するプロセスガスから水素を製造

(4) 水素供給先

川崎臨海部にある東亜石油株式会社内の火力発電設備(出力7.9万kw)の燃料用途等に供給

千代田化工建設と川崎市の連携

 川崎市と千代田化工建設株式会社は、同社の水素大量貯蔵・輸送技術と、水素の大量消費地である川崎臨海部のポテンシャルを活かし、低炭素化やエネルギーの多様化に取り組むため、平成25年に包括連携協定を締結しました。

 本実証事業においても、川崎市は、国等関係機関や水素利用先企業等と調整などを通して、世界初となる水素サプライチェーンの円滑な実現に向けた支援を行っています。