川崎臨海部ニュースレター「KAWASAKI Coastal Area News」vol.35 川崎流「サーキュラーエコノミー」 ~サステナブルな「循環型社会」を形成~
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ページ内目次
- サーキュラーエコノミーって何?
- サーキュラーエコノミーに必要な技術を豊富に有する川崎臨海部
- 国が主導する産官学パートナーシップへの参画で、サーキュラーエコノミーをリード
- 今までのリサイクルとはちょっと違う「ボトルtoボトル」の取組
- 関連企業が集積する臨海部だからこそ、さまざまな展開が可能に
- Q. サーキュラーエコノミー実現のため、一人ひとりができることって何ですか?
- レーザーマッピングでキングスカイフロントをPR~5m×28mの巨大スクリーンが夜間に出現~
- 市制100周年の川崎市と創立150周年国立医薬品食品衛生研究所の共催で合同市民公開講座を開催!
- 全国都市緑化かわさきフェア(かわさきフェア)の開催を機に、キングスカイフロント周辺を花やみどりで装飾します
「サーキュラーエコノミー」という言葉をご存じでしょうか。読者の皆さまはペットボトルからラベルを剥がして分別したり、不要になったものを廃棄しないで必要な人に譲ったりといった経験はありますか?実は身近なところでサーキュラーエコノミーの取組が始まっています。
サーキュラーエコノミーって何?
1980年代までの日本は、「大量生産→大量消費→大量廃棄」というように、経済が一方向に流れる「リニアエコノミー(線型経済)」で成り立っていました。
これに対し、新たな考え方としてヨーロッパから打ち出されたのが、「サーキュラーエコノミー(循環経済/CE)」という考え方です。これまでと大きく異なるポイントは、ものを作る段階から資源を無駄なく使い、廃棄を出さない、再生・再利用をすることを前提とした設計をするという点です。
サーキュラーエコノミーに必要な技術を豊富に有する川崎臨海部
川崎臨海部は、身近なプラスチック等あらゆる素材・製品の製造拠点であり、ものづくりの段階から資源循環を考えるサーキュラーエコノミーと密接な関係にあります。過去の公害問題を環境技術で乗り越えてきた歴史から、いち早くリサイクルに力を入れてきた地域であるため、使用済みプラスチックを原料に新たな樹脂製品を作る「マテリアルリサイクル」や、使用済みプラスチックを化学的に処理して、製品の原料などに戻す「ケミカルリサイクル」についての技術が蓄積しており、資源再生の分野で国内最大級の拠点を形成しています。また、川崎市では2050年までに臨海部をカーボンニュートラルコンビナートにするという目標を掲げ、水素によるエネルギー転換とともに、使用済みプラスチックやCO2を循環させた再資源化した炭素由来の原料・製品の供給といった炭素循環の取組を進めています。
国が主導する産官学パートナーシップへの参画で、サーキュラーエコノミーをリード
川崎市は昨年度設立された経済産業省が主催する「サーキュラーエコノミーに関する産官学パートナーシップ」に自治体として参画することを表明しました。このパートナーシップ会議では、サーキュラーエコノミーに野心的・先進的に取り組む国や自治体、大学、企業、業界団体などが連携し、必要な施策について検討を行っています。川崎市は先進都市として、この枠組に参加しながら、他自治体や川崎臨海部に立地する企業等とともにサーキュラーエコノミーの仕組みづくりの話し合いを始めています。
三村 峰寛 氏
J&T 環境株式会社
営業本部営業企画部長 兼 事業開発本部主任部員
使用済みペットボトルや食品廃棄物など、あらゆる廃棄物を価値ある資源に生まれ変わらせる事業を全国で展開しているJ&T環境株式会社。今回は、資源再生の事業を企画立案する同社の三村峰寛営業企画部長にお話を伺いました。
今までのリサイクルとはちょっと違う「ボトルtoボトル」の取組
今までのリサイクルとサーキュラーエコノミー、取組の違いはありますか?
三村氏 : ペットボトルは1990年代初頭からリサイクルされ始め、衣類や卵パックとして再生されていました。しかし、衣類や卵パックは役目が終わると焼却処分されてしまいます。ところが13年ほど前、メカニカルリサイクル※という技術が開発され、ボトルからボトルに再生することが可能になりました。リサイクル前後で用途が変わらないリサイクル方法は『水平リサイクル』と呼ばれ、資源をより長く、繰り返し使い続けることができます。当社もサーキュラーエコノミーに貢献する『水平リサイクル』に積極的に取り組んでおり、川崎市で回収された使用済みペットボトルに関しては、全てを新たなペットボトルの原料に再生しています。
※メカニカルリサイクル : 使用済みペットボトルを選別、粉砕、洗浄して表面の汚れ、異物を十分に取り除いた後に高温下で処理し、樹脂内部に留まっている汚染物質を除染する手法
関連企業が集積する臨海部だからこそ、さまざまな展開が可能に
川崎市で事業を実施することのメリット、川崎市ならではの強みはありますか。
三村氏 : 川崎市には大きなポテンシャルがあると考えています。まず、我々が再資源化した原料を大量に活用してくれる可能性がある企業が同じ臨海部に集積しているため、さまざまな企業の方と連携が取りやすく、ライフスタイルの変化に準じて排出されるものが変わっても臨機応変に動けるメリットがあります。また、川崎市をはじめ、東京都や横浜市といった大都市にも隣接しているため、資源量を確保しやすい点もメリットで、現在、令和7年4月の稼働を目指して首都圏最大級の資源の選別・リサイクル施設を水江町に建設中です。この施設では、リサイクルされず焼却されてしまっている使用済みプラスチックを選別することによって、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの原料として特性に応じた再資源化を行うことを予定しています。川崎市臨海部の取組と関連付けて、サーキュラーエコノミーによる未来像を共に描いていきたいと考えています。
サーキュラーエコノミーを実現するために市民の方に伝えたいことはありますか。
三村氏 : 技術的な視点でいうとペットボトル等、再生材を使用した際に色がくすんでしまうことがあります。欧米には、多少のくすみよりも再生材としての価値を受け入れる気風があります。日本でも同じように再生材の価値が認知され、理解が広まっていくといいなと考えています。
J&T環境株式会社
JFEホールディングス傘下のグループ会社。使用済みペットボトルを新しいペットボトルに再生する事業をはじめ、容器・包装プラスチックの再商品化や、食品廃棄物をエネルギーと肥料に再生する事業など、リサイクル・資源循環事業を日本及び東南アジアで展開しています。
Q. サーキュラーエコノミー実現のため、一人ひとりができることって何ですか?
最近は、店頭でもリサイクル材を使った商品を見かけるようになりました。サーキュラエコノミーを進める企業の皆さまの応援や、サーキュラーエコノミーの推進、持続可能な社会へ移行するためには、そうした商品を積極的に選ぶ人が増えることが不可欠です。
さがしてみよう! 再生材使用のペットボトル
飲料メーカーでも、積極的に再生材使用のペットボトルを採用しています。コンビニエンスストアなどでも販売されていますので、ぜひ探してみてください。
レーザーマッピングでキングスカイフロントをPR~5m×28mの巨大スクリーンが夜間に出現~
市制100周年を機に、立地機関(日本アイソトープ協会 川崎技術開発センター/川崎区殿町3‐25‐20)の協力を得て、7月1日から建物の壁面にキングスカイフロントのPRメッセージや川崎市のブランドメッセージを投影し、羽田空港方面や多摩川スカイブリッジの利用者に向けて発信しています。
1.投影時間 日没30分後から22時まで
2.設置概要 川崎市のブランドメッセージのロゴマークを表した「赤・緑・青」のサインポールを設置し、サインポール内にレーザーマッピングの投影機を設置しています。また、ポール周辺にはベンチを設置しています。
お近くに立寄った際にはぜひ注目してみてくださいね!
市制100周年の川崎市と創立150周年国立医薬品食品衛生研究所の共催で合同市民公開講座を開催!
6月2日(日)に川崎市コンベンションホールで、「感染症・食事・長生き・お薬 健康のあれこれ講座」が開催されました。
当日は、約200人の市民等の方に参加いただき、国立医薬品食品衛生研究所の本間正充所長による身近な食品の安全と安心についてのお話しや、川崎市健康安全研究所の岡部信彦参与による感染症についてのお話しなど、健康にまつわる興味深い内容を分かりやすくご説明いただきました。
全国都市緑化かわさきフェア(かわさきフェア)の開催を機に、キングスカイフロント周辺を花やみどりで装飾します
実施内容 ・周辺企業と連携したかわさきフェア関連イベントの開催
- 周辺企業、地域との協働による花壇づくり(キックオフとして花植えイベントを開催予定)
- インバウンド観光客もフェアを知り来場したくなるようにエントランス部分をかわさきフェア仕様に飾り付け、ウェルカム感を演出 など
実施期間 令和6年10月~
花壇づくりをきっかけに、周辺企業の皆さまが同僚や家族、友人と一緒に交流を深め、新しい仲間に出会える機会を創出します。周辺企業の皆さまには、取組へのご協力をお願いします。
花植えイベント等については、別途、かわさきフェア公式ウェブサイトでご案内します。
花壇イベントのイメージ写真
全国都市緑化かわさきフェアについて
市制100周年記念事業の象徴的事業として、今年度、川崎で開催される、国内最大級の花と緑の祭典です。みどりを活用した地域の価値向上の取組により、誰もが暮らしやすく住み続けたいまちづくりを目指します。
開催期間
【秋】令和6年10月19日(土)~11月17日(日)
【春】令和7年3月22日(土)~4月13日(日)
会場
市域全体(コア会場:富士見公園、等々力緑地、生田緑地)
全国都市緑化かわさきフェア公式ウェブサイト外部リンクはコチラ
お問い合わせは 建設緑政局緑化フェア推進室 044-200-1736 まで
お問い合わせ先
川崎市臨海部国際戦略本部事業推進部
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-3738
ファクス: 044-200-3540
メールアドレス: 59jigyo@city.kawasaki.jp
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