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子母口貝塚

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貝塚の断面

貝塚の断面

住所

高津区子母口54-148

交通案内

JR「武蔵新城駅」から東急バス城01系統「綱島駅」行き、「子母口」下車、徒歩約5分

地図

解説

 多摩川や川崎駅を遠く一望できる多摩丘陵の北東端に神奈川県指定史跡・子母口貝塚(しぼくちかいづか)があります。標高25m前後の台地上にあるこの貝塚は、縄文時代早期後半、約7,000年前のもので、多摩丘陵上で最も古い貝塚として有名です。また、この貝塚を有名にしているもう一つの理由としては、子母口式士器の標式遺跡ということがあげられます。ここは東京に近いこともあって、明治の中頃からすでに多くの研究者が訪れていました。しかし、正式な調査がなされたのは、昭和2(1927)年の大山史前学研究所が初めてでした。さらに昭和5年にも同研究所は2回の調査を行いました。この時の資料をもとに、当時、縄文土器の編年を研究されていた山内清男氏によって、子母口式が設定されたのは、昭和5年のことでした。これにより子母口貝塚は、関東の縄文土器編年約50型式の一つ「子母口式」の標式遺跡となりました。この子母口式は、土器の粘土の中に草などの繊維を入れ、また、表面には貝殻で引いた線や、竹などに巻いた紐を押しつけてつけた文様などがあります。

 子母口貝塚は、もともと、東西約100m、南北約150mの台地の範囲に、4つの地点をもつ貝塚の総称で、そのうち2地点が現存しています。貝層はマガキが約半分を占め、それにヤマトシジミ・ハイガイ・オキシジミ・ハマグリと続きます。これらは浅海の砂泥に生息するので、当時この貝塚周辺は、河口の内湾的な状況であったことがわかります。また、これらの貝に混じってスズキ・クロダイ・マダイなどの魚骨も見つかっています。

 このように貝塚は、貝の種類や魚骨から、当時の地形や気候などの環境も測定できる貴重な情報源ともいえるでしょう。

貝塚出土の土器片・石器

貝塚出土の土器片・石器

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