磯野紀子 印章彫刻士 一伸堂印房 川崎市高津区 平成17年度認定かわさきマイスター
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かわさきマイスターのシンボルマーク
ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。
磯野紀子(いそののりこ)
平成17年度認定かわさきマイスター 職種:印章彫刻士 川崎市高津区
判子作りにおいて、失われつつある手彫りの技能を保持している貴重な存在の職人である。密刻や篆刻など技能領域の拡大のために絶えず緊張感を持って研鑽を積み、コンテストや展覧会の出品にも積極的に挑戦する他、ボランティアで小学生に篆刻を教えるなど、社会活動も積極的に行ない、社会に貢献するという生き方は、ものづくりに関わる人達の手本でもある。
高津区在住。一伸堂印房自営。
仕事をはじめたきっかけは
夫が長くお店をやっていて、私は子育てをしていましたが、昭和50年に亡くなり、後を継ぎました。仕事をしなければならない状況になったとき、他の仕事は考えられず、この道に入ったのです。神奈川県印章職業訓練校に3年間通い、技術を修得しました。教える資格もとって、訓練校の先生を始め、以来この3月までの22年間、指導にもあたりました。
仕事をする上で1番おもしろいと感じることは
お客様と接することですね。注文を受けて彫りながら話すこともあれば、お茶を飲みに立ち寄ってくれるお客様もいます。ただ、たくさん売れた時代と違い、今は注文が少なくなってしまったので、そういう機会が減って寂しく思っています。手彫りだからこそできる仕事もあります。この辺は外国の方が多いので、カタカナや英字の三文判をすぐに作れるように、通常よりも大きい土台を用意してあります。難しい注文も寄せられます。すべて手彫りですので、2本として同じものはありません。
長年、継続して技能研鑽に努めることができた理由は
結婚した昭和39年頃からずっとはんこ屋だったから、他の道に進もうと考えたことはないですね。女性でも面白いからやってみようと思いました。学校に通っているときは、負けず嫌いな性格から一番にならないと気が済まなくて、上達しました。訓練校時代は、1年でも2年でも、学年で1番の成績だったんですよ。はんこの世界は面白いです。毎日仕事に出ることで、健康的に生活することができます。
磯野さんが自分自身で誇れる技術は
密刻を彫ることができるのは、川崎市内で2人だけです。
龍のウロコは切り回しでひとつひとつ彫ります。切っては回し、切っては回し、根気よく彫るのです。これがとても大変です。
訓練校の生徒の刺激になると思いますので、彫ったものは学校に持っていって、見せるようにします。
ものづくりの魅力とは
完成したときの喜びが魅力です。
ひとことに印鑑と言っても、土台の素材も、彫る文字の書体も、多種多様です。古印体、印篆(いんてん)、象形文字みたいな面白い文字が、個人的には好きな書体です。味があっていいですね。
今後、ものづくりを目指す方へ
日本人は、ものを作るのが好きです。自分がやって面白くなるまでには時間を要します。それを難しいと感じるかもしれません。
この仕事につくには、訓練校に入るのが一番手っ取り早いと思います。1日座る地味な仕事なので、忍耐と根気が必要です。
下記サイトでは磯野さんの技術を動画でお伝えしています
平成17年度認定かわさきマイスター 磯野紀子さん(印章彫刻士) (Youtube動画外部リンク)
問合せ先
一伸堂印房
- 中原区上新城2-1-28
- 電話 044-766-7592
- ファクス 044-766-5776
- 営業時間 10:30~18:00
- 休み 土・日・祝
お問い合わせ先
川崎市経済労働局労働雇用部技能奨励担当
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2242
ファクス: 044-200-3598
メールアドレス: 28roudou@city.kawasaki.jp
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