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石渡 弘信(いしわた ひろのぶ)【手描友禅】 平成9年度認定マイスター

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かわさきマイスターのシンボルマーク

かわさきマイスターのシンボルマーク

ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。

石渡弘信(いしわたひろのぶ)

【手描友禅】 平成9年度認定

石渡 弘信 (いしわたひろのぶ)

優れた友禅染の技法と日本画の表現方法で、日本の自然の豊かさ・美しさを、絹の特性を生かしながら、深みのある色合いで、潤いと品格をもって染め上げる。下絵書きから彩色仕上げまでの全工程を1人で行う。特に、紺色の微妙な濃淡や、金箔押しの微細さ、そして繊細で複雑な描写が展開する構成力は素晴らしい。現代にもマッチする商品開発や市民向け講習会を積極的に行っている。元伝統工芸士。公益社団法人日本新工芸家連盟会員。石渡染色代表。


 

仕事を始めたきっかけは

小、中学生の頃から、何かものづくりをする仕事に就きたいと思っていました。たまたま叔父の家が染め物屋をしていて高1の時、着物の染色をやり出し、私に手伝わないかと声がかかりました。自分自身も手仕事を業としたいという気持ちがあったので、すぐに大定工芸というその会社に入りました。入社した翌年に天皇・皇后両陛下のご婚礼があり、着物が見直されたことなどもあって結構忙しかったことを覚えています。そこで8年ほどいましたが友禅など、なかなかやらせてはもらえず、もっと本格的に勉強したいと思い、デザインの専門学校に入学しました。日本芸術院に所属する彫金の先生や日本画の先生に師事し、工芸や絵を習いました。

 

仕事をする上で1番おもしろいと感じることは

手描きの仕事は、同じことの繰り返しではありません。また5年とか6年ほど苦労してやっとできるようになって作品として実感できるようになった時、自分の中で一つ一つ得られていくものがあり、それがまたお客さんにも喜んでいただけるという感動です。その半面、美術館などに保存されている江戸時代の職人のコピーを作ってみても、なかなかそれを越えられない“もどかしさ”もあります。 あとは、出来上がった作品に、描いている時の作者の気持ちの“揺らぎ”が出てくるのが面白いですね。その時何を考え、どんな気分だったのか、創作者の心が繊維とか絵柄の中に現れます。手工芸品の面白さですね。


 

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来た理由は

もともと美術的なものが好きだったことが基礎にあると思います。日本画の勉強もしましたし、単に写し取るというのではなく、伝統に学び、もっぱら自分の表現をすることを考えてきました。難しくなるとすぐやめる人もいますが、私の場合、何度も失敗などしても困難を乗り越え、形に成り、残ったときの達成感や喜びを知ることが出来たので、チャレンジし続けてきました。


 

石渡さんが自分自身で誇れる技術は

桃山時代から続く金箔押しの技法などを使いながら、素材に微妙な濃淡をつけて染め上げていく技術ですかね。ただ、これまで作ってきた作品は数え切れないほどありますが、自分自身、心底得心が出来たものはまだ少ないです。制作のペースは下図だけなら月に10反位こなしますが、丸受けだと2ヶ月に1反程度、時間をかけ神経を込めて描き上げていきます。
トータルして全部自分でできるのが強みといえば強みで、実際、この世界は分業化されていて、一つの職種でやってきた人は特に今苦戦していますね。東京の場合、どんどん絶対数が減ってきていますから、最終的には主な工程だけでなく、全ての工程をマスターしなければいけないと思います。

石渡氏1
石渡氏2
石渡氏3

ものづくりの魅力とは

友禅という日本の伝統文化を伝えられることが最大の魅力ですね。それに加え私の場合、昔から伝えられる花鳥風月の特性をきちんと表現しながらも、その伝統の枠の中でさらに自らの独自性を創り上げることです。ただ最近は職人の仕事があまり評価されず、手仕事自体減ってきたのは寂しいですね。

 

今後、ものづくりを目指す方へ

粘り強く続けられることが第一です。そして、感性を磨いて欲しい。それには物事に感動すること。また自然とできるだけ接して欲しい。特にこの友禅の世界は自然の豊かさを表現した文化であり、自然を愛でる気持ちがなければなりません。加えて、はみ出すパワー。学校では絵を描くにしても決まりごとや色使いの枠からはみ出さないように教えますが、私はもっと自由に考えさせ、色だって自分で発明しなさいと言っています。怖がらないで、自分のやりたいことをやったらいいと思います。

下記の外部サイトでは石渡弘信さんの技術を映像やマンガでお伝えしています。

平成9年度認定マイスター 石渡弘信さん(手描友禅) (Youtube動画)外部リンク

石渡弘信さん紹介マンガ(PDFデータ)

問合せ先

石渡染色

  • 高津区二子4-19-10
  • 電話 044-822-9368
  • ファクス 044-822-9368
  • 営業時間 午前9時00分~午後5時00分
  • 休み 日・祝

お問い合わせ先

川崎市経済労働局労働雇用部技能奨励担当

住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地

電話: 044-200-2242

ファクス: 044-200-3598

メールアドレス: 28roudou@city.kawasaki.jp

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