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白山神社本殿

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はくさんじんじゃほんでん

白山神社本殿 1棟

建築年代

江戸時代〔嘉永4年(1851)〕

規模

間口3.0尺、奥行5.8尺

構造形式

一間社流造柿葺、正面千鳥破風、向拝軒唐破風付

所有者

所在地

麻生区白山4-3-1

指定

市重要歴史記念物 平成8年(1996)1月25日

解説

 旧王禅寺村眞福寺谷の鎮守であった白山社(現白山神社)は、寛永3年(1626)の王禅寺村絵図にみえるので、江戸時代初期には勧請されていたことが知られるが、その創立年代は不詳である。18世紀中頃に社殿が修造されたらしく、寛延2年(1749)に白山修造料として吹込にある上田2反4畝17歩と社寺続きのむじな谷にある山1か所が村民と思われる文蔵より、白山別当真福寺に寄進された。宝暦12年(1762)の王禅寺絵図には南面する白山社の社殿と鳥居が描かれている。また文政のころの『新編武蔵風土記稿』によると、白山社は3間4方の覆屋があり、その内に宮造りの本殿を祠っていたと推察される。白山社は、その後嘉永3年から4年(1850~51)にかけて社殿が再建された。志村家文書によると、嘉永3年に宮殿と覆殿を新規に建立し翌4年に完成、またこの時、拝殿を新設し、同5年3月に遷宮が行われた。
 現在の本殿と拝殿は、この時の造営となり、本殿の造営大工は地元真福寺谷の工匠であった。
 本殿は間口3.0尺、奥行5.8尺の小規模な一間社流造の建物で、四周に擬宝珠高欄付の切目縁をめぐらし、正面に木階7級と浜縁を設ける。屋根は柿葺で、正面に千鳥破風と向拝軒唐破風付を付けて飾る。
 軸部は径3寸3部の丸柱を土台上に立て、長押を四重にめぐらし、柱頂を頭貫と台輪で結ぶ。組物は三手先斗栱中備に詰組1具を配し、妻飾りは二重虹梁を二手先斗栱にて受ける。正面腰長押上に両開板扉をたてるほか、両側面と背面の板壁及び各部小壁、脇障子を彫物で埋めつくし、また木鼻や尾垂木先、向拝柱などを獅子や龍の彫刻で飾るなど、幕末期の建物に特有の装飾化の傾向をよく示している。しかし、建物の主体である軸部と組物の骨格は明瞭であり、木割も標準的な比例をもつ。向拝は角柱、頭貫虹梁、海老虹梁、二段肘木の構成で、柱の正面に上り龍と下り龍の彫物を付け、虹梁木鼻と中備も龍彫物である。
 当本殿は彫物装飾を多用した総欅・素木造りの建物で、幕末期の特徴をよく示している。軸部・組物の構成は明瞭であり、各部の仕事も丁寧で、彫物をはじめ細部まで意を用いている。

白山神社本殿平面図

白山神社本殿平面図

お問い合わせ先

川崎市教育委員会事務局生涯学習部文化財課

〒210-0004 川崎市川崎区宮本町6番地

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ファクス: 044-200-3756

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