泉福寺
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板面着色絵馬 泉福寺境内相撲図
住所
宮前区馬絹2-9-1
交通案内
東急田園都市線「宮崎台駅」下車、徒歩15分
地図
解説
宮前区馬絹(まぎぬ)にある泉福寺は、天台宗の寺院です。当寺には、市重要歴史記念物の板面着色絵馬(えま)泉福寺薬師会図(やくしえず)と板面着色絵馬泉福寺境内相撲図(けいだいすもうず)が所蔵されています。
絵馬とは、板に馬などの図を描いたもので、神社や寺院に願いごとをしたり、願いがかなったお礼のために奉納する風習から生まれたものです。その起源は古く、神に生きた馬を献上したことに由来するといわれています。それが生きた馬の代わりに、土製の馬や木製の馬形を奉納するように変わっていきました。そして、中世になって絵馬が登場するようになると、神社だけでなく寺院にも奉納されるようになりました。江戸時代には、絵馬は広く一般にも普及しはじめ、社寺に大絵馬が奉納される一方で、民間の庶民信仰に伴って小絵馬もさかんに作られるようになりました。人々は町の絵馬師へ注文したり、既製品を購入して社寺に奉納し、また、自らの手で制作したりする者もありました。
こうした絵馬は、身近な悩みの解消を求める庶民の間に広く普及し、多様化するようになりました。
さて、泉福寺薬師会図は、墨書銘によって江戸時代末の嘉永7年(1854)に制作されたものであることがわかります。大きさは縦71.5cm、横110.8cmで、泉福寺境内の大銀杏(おおいちょう)と薬師堂内の薬師如来像のほか、多くの参詣者で賑わっている様子が描かれています。
また、泉福寺境内相撲図は、江戸時代末の安政4年(1857)に春川という絵師が描いたもので、願主は都倉氏という人物であることが墨書で記されています。この絵馬は、当時、境内で催されたと思われる奉納相撲の情景をよく描いています。
泉福寺の境内には、絵馬に描かれている大銀杏が、現在も残っています。これらの絵馬は、当時の風物や庶民の信仰の様子を伝える資料として、貴重な価値をもっています。
所有指定文化財
コンテンツ番号82