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獅子舞(初山の獅子舞)

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  • 更新日:
獅子舞(初山獅子舞)

初山の獅子舞

保存団体

初山獅子舞保存会

指定

県指定無形民俗文化財

平成13年2月13日指定

解説

 一人立獅子舞。獅子舞には一人立獅子舞と二人立獅子舞の2種がある。一人立獅子舞は風流獅子といわれ風流踊にともなう舞である。風流にはきらびやかに飾るという意味があり、御霊信仰にともなって盛んになった。風流歌を歌って、はなやかに踊る。獅子頭を頭部につけ、1人で舞うのが一人立獅子舞で、獅子頭につけた布に2人が入り、前足と後足を2人で分ち舞うのが二人立獅子舞である。二人立獅子舞は原則として歌はなく、舞手は胸に羯鼓をつけることがない。一人立獅子舞は胸に羯鼓をつけ、羯鼓を打ち、歌を歌いながら舞うのが特色(羯鼓をつけないところもあるが、これは変容であろう)である。二人立獅子舞は伎楽系といわれ伎楽獅子に源がある。伎楽獅子は仏教伝来とともに入って来た。寺院における行道の芸能である。二人立獅子の方が一人立獅子より獅子頭が大きいのが一般的で、歴史も古い。一人立獅子は二人立獅子と発生の上で何らかの関係があると思われる。

 初山の獅子舞は天狗面の者に先導され、町内を練り歩き、祭場へ練り込む。二人立獅子にも古くから先導役がついていた。初山の獅子舞は菅生神社(宮前区菅生)の10月最初の日曜日の例祭に今日は行なわれている。いつからはじまったか、その時期は明らかでない。江戸時代初期の製作と考えられる獅子頭があるから、その頃からすでに行なわれていたと思われる。すると、一人立獅子舞としては初期の頃のものということになる。

 舞は境内に設けられた円形土俵を舞場として行なわれる。最初に幣負い(天狗面)の土俵清めがあり、つづいて金棒引き、幣負いが先頭に立ち獅子を先導する形で舞場に入る。途中は道行の笛をふき、獅子舞にともない岡崎・入端・渡り笛・変り笛などいろいろな囃子で舞う。舞の後半で舞う雌獅子隠しは、獅子舞の見せ場になっている。初山の獅子舞は地を這うようにして舞うのが特色だという。地を這うというのは地の悪霊を鎮めるという意味があるのであろう。二人立獅子舞でも獅子這いといって地を這う芸が古くからあった。

 舞の途中で中入ということがあり、舞人が酒をのみ、中休みをする。中入は神楽にも能にも歌舞伎にもある。この時に食事をするのが一般的(能の場合は別)である。中入の時、天狗面をつけたものが道化たことをする。一人立獅子舞では仲立役が道化たりすることが多い。初山の古い獅子頭にウソフキ型の面がともなっているのは道化芸があったことを物語っていよう。現在の天狗役も道化的である。ウソフキ面は仮面の分類からいえば道化面である。一人立獅子舞は2頭が原形という説があるが、3頭が最も多く、現在では基本のようになっている。