木造 薬師如来坐像
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木造 薬師如来坐像 1軀

年代
室町時代

像高
37.1cm

所有者
等覚院(宮前区神木本町1-8-1)

指定
市重要歴史記念物 昭和60年12月24日指定

解説
右手は屈臂し、5指をのばして掌を前に向け、左手は膝上にのせて薬壺を持つ。寄木造、玉眼嵌入、古色。平成元年度に本像を解体修理された櫻庭祐介氏は、構造について次のように報じておられる。
「頭部は耳の後ろで前後二材を寄せ三道部分で差し首とする。躰幹材は肩部分で前後二材を寄せ両肩材を矧ぎ合せ、膝前材を接合し、その上に両袖材をのせ両手首を差し込む。また個々の躰幹材は底部約2cmほど上にてしゃくりを入れ、底部材も共木としている」
像は低めの頭髪部、やや曲線を描く髪の生え際、秀麗な目鼻立、裙・偏衫・大衣をまとう服制、あるいは波状の複雑な衣皺などに宋元風の特色が著しく、彫技は細緻といえる。
川崎市彫刻・絵画緊急調査団がはじめて調査を許された時、こうした特色に基づき、14世紀初頭、鎌倉後期の造立であろう、と推定した。しかし、解体修理の結果、後頭部の内刳りを省略し、首枘を円筒形に作っていることなどが明らかになり、もう少しあと、室町時代の作とみるべきではないか、との意見が出された。鎌倉時代宋元風を巧みにうけついだ室町時代の佳例、ということになる。
なお、この像はもと江戸茅場町智泉院の本尊であったという。
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