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前原昭 木型工 (有)前原機型製作所 川崎市川崎区 平成14年度認定かわさきマイスター

かわさきマイスターのシンボルマーク
ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。
前原昭(まえはらあきら)
平成14年度認定かわさきマイスター 職種:木型工 川崎区

工業の基盤となる鋳型を製作する際に用いられる木型の熟練職人である。現在、素材が木から発泡スチロールに替わったが、大型エンジン・大きなタイヤ型などから手のひらに乗るような物まであらゆる分野の型を、自分のオリジナリティーで創意工夫して製作している。また、木型の高い技術を保持しながら、後継者の育成にも尽力している。
鶴見区在住。(有)前原機型製作所経営。
仕事をはじめたきっかけは
子供のときから木工が好きでした。戦時中に疎開していたので、遊ぶ場所といえば山か川。ですから遊ぶための車をケヤキの丸太を利用して自分で作って、山道を転がしたりしていました。疎開先の叔父さんが木挽きをやっていたので材料や道具が揃っていたこともありますが、やはり作ることが楽しかった。それで、中学を卒業して職業技術校の木工科に入ったわけです。1年通いましたが、学校でただ一人知事賞をいただいたりして、とりあえず面白くて自分はこの道を選んでよかったと思いました。
仕事をする上で1番おもしろかったことは
やはり創意工夫ができるという点です。職業技術校を出た後、当時木製だった電話交換機を作っていたのですが、同じものをただ作っている感じでだんだん面白さがなくなってきていました。そんな時、平塚の富士電機で木型というものを見せてもらい、木型は基本的に同じものはなく自分自身で考えて作っていくものだと言われました。やり方は教えるが後は本人の創意工夫だと。その頃、物が大量生産時代に入りかけていた頃で、そのもととなる木型はこれからますます需要が増えていくという時期でした。
長年、継続して技能研鑽に努めることができた理由は
とにかく面白いんです。30歳で独立しましたが、その前は私一人、朝8時から毎晩12時まで作業していました。そのくらい没頭しました。独立してからは家族もいることだし、面白いというだけではすまなくなりましたが、ここまでの50年あっという間でしたね。他の道など考えてもみませんでした。その気持ちは今でも変わりません。
前原さんが自分自身で誇れる技術は
木型は図面に従って作っていきますが、図面上で指示しようがない部分もたくさんあります。職人が自分で判断し、自分の気にすむようにやる。そこが職人気質の出るところだと思います。ここまでしたからもういいやと、ここまでしたのだからもうちょっと、との違いですね。私は納得するまでしないと気がすみません。ただ、腕のいい職人は要領がよく仕上がりもきれいです。



ものづくりの魅力とは
仕上げた時の達成感や満足感といったものももちろんありますが、作っている最中、無我夢中で没頭できるという点が一番です。私は面白ささえ感じないくらい夢中で木型づくりをしてきましたので。文字通り寝食も忘れてといった感じでやってきました。今でも納期の関係で休日に仕事をすることがありますが、お昼になってもお腹がすきません。
今後、ものづくりを目指す方へ
現在は子供たちの職業の選択が狭まられているような気がしますね。厳しい時代という背景もあって、好きか嫌いかという前にまずは安定といったことを考える風潮が強すぎるせいかもしれませんが。木型だけでなく職人の世界もどこもなり手という点で厳しい状況のようです。しかし、自分のことをふりかえってみても、好きこそものの上手。楽しいことをしながら自分の道を探せる子は、ぜひ職人の世界に入ってもらいたいと思います。こういう時代だからこそ、子供たちには自分に合っていて楽しいと思える仕事を探してほしいですね。
下記サイトでは前原さんの技術を動画やマンガでお伝えしています
問合せ先
(有)前原機型製作所
- 川崎区浅野町1-10
- 電話 044-355-9955
- ファクス 044-355-9988
- 営業時間 8:00~17:00
- 休み 第1・第3土、日・祝
お問い合わせ先
川崎市 経済労働局労働雇用部 技能奨励担当
〒210-0007 川崎市川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル6階
電話:044-200-2242
ファクス:044-200-3598
メールアドレス:28roudou@city.kawasaki.jp

