鈴木 忠夫(すずき ただお) 【パイプ曲げ加工】 平成22年度認定かわさきマイスター
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かわさきマイスターのシンボルマーク
ものづくりの原点である手をモチーフに、その発展を花の開花、鳥の羽ばたきの形で表現しています。

鈴木忠夫(すずきただお)

【パイプ曲げ加工】 平成22年度認定

NC機(数値制御の工作機械)を駆使した多品種少量のパイプ曲げ加工を得意としている。素材の品質上のバラツキを見極め、型の微調整、芯金などを駆使し、求められる精度を出す。パイプを曲げる時は、シワが出ないようスピードを調整し、10数箇所も曲げても、正確な寸法精度を出す。長さ2メートルのパイプを何箇所も曲げても公差プラスマイナス1ミリほどの違いにしかならず、最後に切り落として廃材が少なくなる。まさにエコな側面も合わせ持ったマイスターである。
中原区在住。大省工業株式会社勤務。※退職

仕事をはじめたきっかけは
それまで勤めていた会社が県外に移転することになり、年を取った両親がいる地元を離れたくないと入社した会社でパイプ曲げ加工を始めました。前の会社で船舶や発電機用のピストンのエンジン分解や組み立てをしていて、配管をはずす時などにパイプを曲げる作業を見ていたので、パイプ加工には興味がありました。
その会社では主に建設機械や農機のパイプを作っていましたが、当時はNC機ではなかったので、曲げる時に角度を自分で調節しながらローターを手動で回していました。今は機械が細かく調節してくれますが、当時は分度器を使ったり、目検討、勘でやっていましたね。

仕事をする上で1番おもしろいと感じることは
お客さんの満足がいくように、注文どおりにうまく仕上がった時はうれしいですね。

長年、継続して技能研鑽に努めることができた理由は

自分に合っていたからだと思います。子供の頃から、機械関係の職人だった父親の仕事を見ていました。家にある父の仕事道具をいじってよく遊んでいたので、小学1、2年生の時には、マイクロメータ(測量機器)が2回転すると物差しで1ミリのところまでいったんだなと、普通に覚えていましたね。それに、いろいろなものを作ることが好きでした。

鈴木さんが自分自身で誇れる技術は
お客さんの図面に書かれているとおりにやらなければいけない仕事なので、得意というより、当たり前のことですが、注文どおりに納めるということです。
NC機になって、角数が多くなるなど、より複雑に曲げるようになりました。操作でも当初のものより今のNC機の方が操作が複雑になって、いろいろなものが作れるようになりました。NC機の具合が悪い時、半自動機の頃の経験から、セットの仕方など、原因がわかる場合があります。しわだけは何年やっていても何かの拍子に出てしまうことがあるので、一番気を遣います。何ケ所も曲げる時は傾転や曲げ角度が0.1度違うだけで仕上がりの誤差が大きくなることがあるので、なかなか大変です。




ものづくりの魅力とは
出来上がって自分の手を離れ、お客さんに納めた時です。お客さんが受け取って少しの間は心配ですが、やれやれという気持ちです。

今後、ものづくりを目指す方へ
その仕事に対する理解、自分が作る商品はどういうものなのかという自覚が大切でしょうね。パイプ作りであれば、寸法に気をつけるとか。どんな仕事でも、この理解さえあれば大丈夫です。それから、じっくり取り組むこと。地道にコツコツ積み重ねる、根気や粘りが必要だと思います。

下記サイトでは鈴木さんの技術を動画やマンガでお伝えしています
平成22年度認定かわさきマイスター 鈴木忠夫さん(パイプ曲げ加工) (Youtube動画外部リンク)
鈴木忠夫さん紹介マンガ (PDFデータ)
お問い合わせ先
川崎市経済労働局労働雇用部技能奨励担当
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2242
ファクス: 044-200-3598
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