10月の市民健康デーのお知らせ
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毎月第4土曜日は健康について語り、学び、考え、実行する「市民健康デー」です。
10月のテーマは糖尿病です

糖尿病とは
糖尿病は、大きく分けて1型と2型がありますが、2型が占める割合が圧倒的に多いため一般的に「糖尿病」と呼ばれているのは2型を指しています。2型糖尿病は食生活や運動不足、肥満などに起因して、血糖値が高くなる病気で生活習慣病の1つであり、40歳ころから患者が増えてきます。
自分には関係ないとお思いの方もいるかと思いますが、国の調査である令和5年国民健康・栄養調査によると20歳以上の人のうち、糖尿病が強く疑われる人の割合は、男性が16.8%、女性が8.9%で、年齢が高くなるにつれその割合が高くなっており、私たちにとって身近な病気と言えます。
「糖尿病が強く疑われる者」の割合(20 歳以上、性・年齢階級別)


2型糖尿病について
私たちが摂取した食べ物や飲み物は、消化されてブドウ糖になり体内に吸収され、大切なエネルギー源となります。ブドウ糖を吸収する際にインスリンというホルモンが必要となりますが、糖尿病になると、このインスリンが足りなくなったり、うまく働かなくなったりします。そのため、吸収されないブドウ糖が血液の中にあふれて、血糖値が高い状態が続くようになります。
血糖値が高い状態を何年間も放置していると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全などといった、重い病気につながることがあります。

糖尿病の症状について
糖尿病は初期の症状が出にくいことが特徴です。
高血糖が続くと、のどが渇きやすい、尿の量が増える、体重が減る、疲れやすいなどの症状が現れる方もいます。しかし、これらの症状が高血糖や糖尿病によるものだと気付かない方も多く、知らない間に徐々に進行し、全身の細い血管や神経が傷つけられて合併症が起こることがあります。糖尿病の患者さんに多い合併症として、動脈硬化性の病気である狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などが挙げられます。ほかにも、かぜやインフルエンザ、肺炎などの感染症や骨粗しょう症、歯周病などにもかかりやすくなります。
糖尿病の3大合併症
さらに糖尿病が進行しますと、重い合併症である、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を引き起こします。これらは糖尿病の3大合併症と言われています。
糖尿病性網膜症
血糖が高いことにより眼の網膜の細かな血管が障害されることで、神経細胞に酸素や栄養を送ることが出来なくなり、視力低下や失明につながります。大人になってからの失明の原因で最も多いのは糖尿病です。
糖尿病性腎症
腎臓は体の水分をこして尿をつくる臓器で、そのための細かな血管が多く存在します。糖尿病性腎症になると血管が障害されて尿が作れない状態となり、体内に有害な成分が溜まったままとなり、人工透析という治療が必要になります。人工透析となると、体内に溜まった有害な成分を取り除くために一般的に1回4時間、週3回のペースで通院が必要となり、身体への負担も大きくなります。

糖尿病性神経障害
高血糖によって神経が障害されることで起こります。手足のしびれや感覚が鈍くなり、皮膚の感覚が鈍ることで、気が付かない間に怪我や火傷をすることもあります。さらには、糖尿病の人は感染症への抵抗力が弱いため、傷が広がりやすく、治りが悪くなることも知られています。
これらの合併症は、一度発症すると治すことは難しいため、糖尿病と診断されたらきちんと受診し血糖値をコンロールして、合併症を予防することが大切です。
糖尿病を予防するには
糖尿病は生活習慣に気をつけることで予防することができます。また、血糖値が高いと言われている方や糖尿病の治療中の方も、良い生活習慣を継続することで血糖値をコントロールしやすくなります。ぜひ主治医にご相談いただきながら取り組んでいきましょう。
食生活
1日3食、なるべく決まった時間に、バランスがよく、ゆっくり噛んで満腹感を得ることで食べすぎに注意しましょう。寝る2時間前の飲食を控えることも大切です。
また、現代人の食生活では、1日あたりの野菜摂取量が100g足りないと言われていますので、あと1皿野菜のおかずを加えましょう。食物繊維を多く含む野菜や海藻、キノコ類には血糖値の上昇をゆるやかにする効果もあります。

運動
糖尿病の予防にはきつい運動は必要ありません。まずは、日常生活の中でこまめに身体を動かして、活動量を増やしていきましょう。
厚生労働省では、今より10分多く身体を動かす「プラステン」(+10)を推奨しています。エスカレーターではなく階段を使う、バス停一つ分歩くなど、生活のなかで取り入れられることを少しずつ積み上げることが、大きな成果につながります。

禁煙
糖尿病の3大合併症である、網膜症、腎症、神経障害は、いずれも高血糖の状態が長く続くことによる血管障害です。喫煙はより血管にダメージを与えてしまいます。喫煙は糖尿病以外にも、COPDやがん等さまざまな疾患のリスクを高めます。これを機に禁煙に取組みましょう。

糖尿病の予防・早期発見のために健診を受けましょう!
年に1回の健康診断を必ず受けることが大切です。早い段階で血糖値の異常を発見できれば、その後の血糖コントロールが行いやすく、重篤な合併症を防ぐことができます。ぜひ職場の定期健康診断や特定健診などを受けて、ご自身の状態を確認してください。
川崎市でも35才以上の国民健康保険加入者の方向けの健康診断を無料で行っています。年に一度の大切な健診ですので、まだ健診を受けていな方はぜひ受診することをお勧めします。
健診では、血液検査によって血糖値やヘモグロビンA1cという値を測定します。ヘモグロビンA1cは、過去1、2ヶ月間の平均的な血糖値を反映しているため、高血糖の傾向を把握することができます。
健診で標準以上の数値が出た場合は必ず病院を受診してください。糖尿病は痛みや症状が出にくいため、健診で指摘を受けたらそのままにせず、重篤な合併症を防ぐためにも、早期に受診されることをお勧めします。

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お問い合わせ先
川崎市健康福祉局保健医療政策部健康増進課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-3426
ファクス: 044-200-3986
メールアドレス: 40kenko@city.kawasaki.jp
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