長者穴横穴墓群

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2010年12月20日

長者穴横穴墓群

地図

解説

 中世の城跡として知られている枡形(ますがた)山から、尾根を伝って北へ行ったところに飯室(いいむろ)山があります。長者穴横穴墓群は、この飯室山の北麓に築かれた横穴墓群です。江戸時代の『新編武蔵風土記稿』や『江戸名所図会』でも紹介されているところをみると、その存在は古くから知られていたようです。
 昭和42年(1967)、この地に宅地が造成されることになったため、川崎市教育委員会では2度にわたる発掘調査を実施しました。その結果、3つの小さな開析谷に、合計32基にも及ぶ横穴墓が群集していることがわかりました。これらの横穴墓は、飯室層と呼ばれる泥岩(でいがん)の地層に掘り込まれています。それぞれの横穴墓は、遺骸を安置する玄室と玄室に通じる墓道である羨道(せんどう)からできています。なかには、羨道の前で墓前祭祀(さいし)を行った前庭部が残っているものもありました。
 これらは奥行5m、幅3mほどの規模で、平面的には羽子板のような形をしたものが多くみられます。
 この調査では、被葬者の骨や歯などのほか、遺骸に添えられた金環・管玉(くだたま)・小玉・銅釧(どうくしろ)・鉄鏃などの副葬品が、おもに玄室から出土しました。長者穴横穴墓群は、こうした出土遺物や横穴墓の形態などから、7世紀中頃から後半にかけて築造された、集団の家族墓や一族の墓ではないかと考えられます。
 川崎市内には、長者穴横穴墓群のほか、中原区井田や高津区津田山など、多摩川・矢上川・平瀬川の流域に、横穴墓が濃密に分布しています。多摩川中・下流域の東京都大田区や世田谷区も含めると、南関東地方でも屈指の横穴墓密集地域を形成していることになります。

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