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木造 聖観音菩薩立像(広福寺)

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  • 更新日:
木造 聖観音菩薩立像

木造 聖観音立像 1軀

年代

鎌倉時代から南北朝時代

像高

159.3cm

所有者

広福寺(多摩区枡形6-7-1)

指定

県指定重要文化財 昭和41年7月19日指定

解説

 現在収蔵庫内に安置される像高約5尺の堂々たる観音像である。
 高い垂髻を結い、頭髪は丁寧に毛筋を彫る。左手を屈臂して腹前で蓮花の茎を執り、右手も屈臂して肩下で掌を前に向けて立てる。体勢には動きが少なく、両足を揃えてほぼ直立する。
 構造は、頭部・体幹部とも前後矧ぎとし、三道下で頭部を体幹部に挿し込む。両腕は肩、臂で矧ぎ付ける。髻、化仏、持物、体幹部に矧ぎ付けた小材、天衣の一部、台座、光背は後補である。当寺の過去帳には宝永年間(1704~11)に修理を行った記録があるというが、後補部はこのときのものかもしれない。
 本像は全体のバランスでは頭部が大きめに造られている。身体各部の肉付けはあっさりとしており、さしたる量感は感じられない。側面観も上半身には奥行きがあるが、それに比べて下半身は先細り的に偏平になっている。頭部はさすがに本像においては最も丁寧に造られた箇所といえ、頬にはふっくらとした肉付けがなされ、天冠台下の地髪のふくらみもやわらかい。
 また、高く結い上げた髻は宋元風の影響を受けていると思われる。表情には少し沈んだようなところがあるが、静かな理知をたたえている。衣文は全体に彫りが浅く、さほど複雑なさばき方はみられず、背面ではことに省略気味である。
 本像は作風的に類例の少ない像であり、なかなか制作年代を推定することは難しいが、沈思するような表情や、髻の形に宋元風が感じられること、正面の裙の折り返し部には若干衣がひらめくさまがあらわされることなどは鎌倉時代後期に通有の要素といえよう。しかし、頭を前へうつむき加減にし、猫背の姿勢が目立つことからみると、南北朝時代に入ってからの造立ということも考えられる。いずれにしても、市内に残る中世の大作として貴重な存在といえよう。
 『新編武蔵風土記稿』によれば、本像はもと当寺観音堂本尊であったという。

お問い合わせ先

川崎市教育委員会事務局生涯学習部文化財課

〒210-0004 川崎市川崎区宮本町6番地

電話: 044-200-3305

ファクス: 044-200-3756

メールアドレス: 88bunka@city.kawasaki.jp

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