紙本着色 地蔵菩薩及び十王図
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地蔵菩薩及び十王図のうち閻魔王
紙本着色 地蔵菩薩及び十王図 11幅1組
年代
江戸時代前・中期頃
法量
(各幅)縦108.5cm 横61.6cm
所有者
明長寺(川崎区大師本町10-22)
指定
市重要歴史記念物 平成8年(1996)1月25日
解説
亡者を救済する地蔵菩薩を筆頭に、初七日に最初の裁きを担当する秦広王から、最終の裁き(3回忌)を受け持つ五道転輪王まで、十王を各1幅に配する。
各幅は画面上部に机を前に罪人を審判する王とその眷属、ならびに飛雲に乗る本地仏を、下方には責苦をうける亡者と、地獄の情景を描いている。
中国の影響下に日本で作図された中世の十王図では規範にのっとり、静謐な画面構成をとるが、本図は十王を大きく扱って画面に余白を残さず、亡者・鬼卒は躍動的で生彩にあふれている。近世の地獄絵は凄惨で毒々しく、いたずらに恐怖心を煽るものが多いが、本図は近世庶民の感性によって表現された十王図の例として高く評価されよう。
なお、作者は不祥。製作年代は天明2年(1782)以前であり、江戸時代中期頃と推定されるが、その究明は今後の研究課題となろう。
箱蓋墨書名
表 『十王絵 明長寺』
裏 『釈迦三尊厨子 新造之同時 此筥 天明二年壬寅年八月吉日造之 良逢新造』
※絵画と箱蓋の制作年代は一致していないと考えられる。
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