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デジタル透明文字盤 OriHime eye+Switch

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認証年度 2016年度(KIS2016-25)

Orihime eye+Switch

製品概要

 視線入力装置やスイッチを使って、透明文字盤を使うように文字を入力し、読み上げる事ができます。ひらがなや身体部位など基本的な文字盤の他、履歴や、自作の文字盤を登録する事ができます。また、会話以外にもメールやメモ機能など、さまざまな使い方ができます。

開発背景

 従来の意思伝達装置を使った方々から、使いこなすまでの難しさや細かな操作ができないなど、うまく使えていない事が多いと相談を受けていました。私たちは、普段慣れていらっしゃる方法そのままで利用できる意思伝達装置を、仲間のALS患者や難病の方々と試験をくり返し、開発しました。

開発の意義

 「行きたいところに行くことができない人のためのもう一つの身体」というコンセプトにより生まれた分身ロボットOriHime(平成27年度かわさき基準認証商品)を操作するために生まれたものがデジタル透明文字盤OriHime eyeであった。ALS療養者は症状の進行に伴い、外出の制限だけではなく、「うなずく」「手を上げる」ことができなくなるなど、動作とともに「自分の思いを表現する」ことが難しくなってしまう。その両方を分身ロボットOriHimeとデジタル透明文字盤OriHime eyeが助けることで、遠隔操作で友人宅へ遊びに行ったり、介助者との雑談などを通し、一緒に過ごす時間をつくることでコミュニケーションを叶えます。

創意工夫

 ALS患者の中には介護者の手による透明文字盤は使えるが、従来の視線入力装置の文字入力が難しいという方々がいます。それは文字盤が固定されていることにより画面の端にある文字への視線の固定・入力がしにくく疲労感が強かったためである。その点、デジタル透明文字版OriHime eyeは眼球の動きをセンサーでとらえ、透明文字盤と同じ感覚で文字盤の位置調整ができ、画面の端まで目を動かせない人でもすべての文字を入力することができ、自分の表現したいことが十分表現することが可能となりました。

メッセージ

 技術の進歩は患者に希望を与えるものであり、当事者にとって良いものとは、それを本当に必要としている人とともに作り上げなければならず、患者とともに普段から繰り返しテストを行う中にこそ多くのフィードバックがある。OriHime eyeは開発者だけで作り上げたものではなく、療養者本人や介助者の方、医療介護職などの方々とともに作り上げたものであります。

かわさき基準認証総合評価コメント

 難病療養者と介助者との意思疎通に用いられる透明文字盤の動きをデジタル化する製品として、眼球運動能力が残存している方で口頭や筆談でのコミュニケーションが難しい方を対象に、視線入力操作によりインターネットの利用やメールを通じて社会活動への参加を実現する製品として評価できます。文字を選択する際は、カーソルを動かすのではなく、指定したい文字に視線を合わせることで画面上の文字盤が移動するため、文字選択の際に頭を動かす必要がなく操作が容易な点も評価できます。また、製品開発にあたっては、製品利用対象となる神経難病患者の声を実現させることを最重要指針として開発を進めてきたことも高く評価できます。

 モニター評価時には介助者(理学療法士・作業療法士)から「個々の視線を合わせる初期設定が容易」「眼球運動の範囲が限られている方でも非常に使いやすい」といった声が寄せられました。

 ダイバーシティのまちづくりの推進に期待できる製品として、かわさき基準の理念における「人格・尊厳の尊重」「利用者意見の反映」「活動能力の活性化」「ノーマライゼーション」への適応を高く評価し、認証に値するものと判断します。

価格

480,600円(非課税)

 ※補装具費支給制度実績あり

問合せ先

株式会社オリィ研究所

http://orihime.orylab.com外部リンク

お問い合わせ先

川崎市経済労働局イノベーション推進部

住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地

電話: 044-200-2513

ファクス: 044-200-3920

メールアドレス: 28innova@city.kawasaki.jp

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