【New】乾燥機でつかえる洗濯ネットバッグ
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認証年度
令和5年度
対象者
片麻痺、リウマチや加齢で腕・指に可動域制限がある、在宅、特養、訪看・デイ・通所、リハ科の対象者となる方。
製品概要
洗濯用ネットと脱衣かごが一体化したバッグ型の洗濯支援ツールです。脳卒中による片麻痺、リウマチ、肩の傷病等で、指・手・肩関節の可動に制限がある方々が、脱衣かごへ服を入れる、洗濯用ネットへ服を移す、ネットを洗濯機に入れる、洗濯後に服を取り出す、干し場まで運ぶという洗濯に伴う一連の作業を、一つのバッグで円滑に実現しました。さらに、2023年12月より乾燥機でも使えるようになりました。
バッグ内に空間を維持する構造により、洗濯中にバッグ内の洗濯物が絡みません。バッグの丸みに沿うファスナーは無理なく開閉が可能で、痛く、疲れる洗濯を前向きな営みに変化させます。
2022年10月、公益財団法人日本デザイン振興会「2022年度グッドデザイン賞」受賞。縦30cm、横28cm、高さ30cm、150g、材質はポリエステル。
開発背景
当社がケア衣料製造を行う中で、「洗濯」における不自由さに出会いました。それは「脱衣かごにある服をつかむ」「洗濯機に入れる」「脱水後からんだ服を取り出す」「物干し・収納の場所まで服を持って運ぶ」にともなう、指先、手首、肩の関節の痛みと疲労でした。
服の絡まりを防止するためにネットを使う時も、「ファスナー開閉」を片手で行う難しさや、リウマチ患者の方は、開閉時の指先、手首、肩の関節の痛みに悩まされていました。
開発の意義
当製品は、傷病、障害のある方々の「洗濯」の自立及び、生活介助を要する方々の介助者(家族、医療・介護職)の「洗濯」に伴う手間の削減を支援します。当社の作業療法士による調査からも、「洗濯」は規則正しい生活と衛生を維持する大切な行為という結果が得られており、それらも支援いたします。
国際生活機能分類(ICF)の「活動」と、バッグ(手さげかばん)としての利用により、当事者の他者との交流や、外出という「参加」を促進します。
創意工夫
当製品の機能とデザインは、開発段階で傷病がある当事者、プロダクトデザイナー、パートナーであるリハビリ・介護・医療法人とその従事者が参画し、入念な調査とヒアリングのもとに生みだされたため、販売開始時点からユーザーニーズを満たした製品です。また、新規性があり機能性と審美性を兼ね備えたデザインを有するため、特許権と意匠権を出願し、知財防衛をしてからマーケティングを行うことで、競争優位を実現しています。
メッセージ
片麻痺患者は国内で約27万人で、年々増加しており、リウマチ患者は80万人いると言われています。多くの対象者は、洗濯の動作に伴うストレスと痛みを感じながら洗濯が億劫になっていきます。事実、億劫さから、乾きやすい同じ服の色違いを着る対象者は少なくありません。理由を聞けば、本当は、気軽に、丁寧に、服を洗濯したい、外で干したいという想いをお持ちです。
当製品はその想いを応援する道具です。現在、製品利用者は傷病・障害がない方が42%を占めています。製品開発は対象者との協働で行われましたが、傷病、障害といった枕詞なしに、純粋にものの便利さ・美しさが多くの方に受け入れられていることを意味し、インクルージョンを体現した製品です。
かわさき基準認証総合評価コメント
高齢者等から、間口が広く洗濯物の出し入れが行いやすい点、洗濯物が絡まずに洗濯できる点、介護者から、把手を利用し簡易に運搬できることから洗濯に対する自立支援につながる点等の声があり、概ね高評価でした。そのため特に「理念5 活動能力の活性化」「理念8 ノーマライゼーション」の適合が高いと判断し、認証いたします。
問合せ先
お問い合わせ先
川崎市経済労働局イノベーション推進部
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