いわがき(旬の魚・青果・花)
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いわがきってどんな貝?
普通、「かき」は冬が旬なのですが、今回紹介する「いわがき」は夏の味覚として流通しています。別に「夏がき」とも呼ばれています。
名前のとおり、表面が岩のようにごつごつで、多くが丸みを帯びた形をしています。色は茶色がかっており、大きさは10~15cmほどです。市場にはあまり流通していませんが、大きいものは20cmを超えるものもあります。下の写真のいわがきは、大きさが約15cm、重さは1.3kgほどのものです。
いわがきはもともと、夏の味覚として地元で食べられる天然のかきという意味づけでした。夏に食べられるかきとして一般に知られるようになり、一部が養殖されるようになったようです。過去と現在で「いわがき」の意味あいが少し変わってきているようです。

上の写真は徳島産の天然のいわがきです
手の大きさと比較していただくと大きさが分かると思います

いわがきの目利き
残念ながらいわがきなどのかきについては目利きが難しく、実際に殻をあけてみるまで身の大きさ、肉付きはわかりません。
市場で取引されるいわがきは大きすぎるものは多くは出回りません。いわがきは飲食店やお寿司屋の手に渡るのがほとんどですが、市場ではそうしたお客さんの扱いやすい手ごろなサイズのものが多く流通しています。(スーパーや魚屋さんではあまり扱われていないはずです)

一番上の写真に比べると、小ぶりないわがきです
こちらは茨城産の天然のいわがきです

養殖されたいわがき
いわがきは天然のものが主流でした。ただ、流通量が増えた現在は、養殖したものも流通するようになっています。養殖は日本中で行われていますが、特に島根県の隠岐周辺が盛んだといわれています。
イカダにつるされた状態で育った養殖のいわがきは丸みを帯びず、普通のまがきのようなかたちをしているものもあります。
ちなみに、天然のものの産地として、太平洋側では千葉の銚子や茨城県鹿島灘で獲れた比較的大型のものが有名です。日本海側では南から島根、石川、新潟、山形などがあります。

養殖ものでイカダにつるされていたものは
上の写真のように、裏側は表側と同じ様に殻が成長しています

いわがきの食べ方
いわがきは生食が一番おいしいといわれています。…しかし、季節がら細菌の繁殖が気になるのも事実です。人によっては菌の数に限らず食中毒の症状を発症する場合がありますので注意が必要です。
結論としては…安心で美味しい食べ方がオススメでしょうか。一度火を通した食べ方では、焼きがきやカキフライ、ムニエルなどがあります。

天然ものは海底の岩にくっついているため
上の写真のように、裏側にはがした痕が残っています

お魚データ
- イワガキ(Crassostrea nippona)
- 綱名 二枚貝綱(Bivalvia)
- 目名 ウグイスガイ目(Pterioida)
- 科名 イタボガキ科(Ostreidae)
- 属名 マガキ属(Crassostrea)

特徴
- 夏に食用できるかきとして知られています。「夏がき」とも呼ばれています。
- 大きさは10~15cmほどの手ごろな大きさのものが多く出回っています。
- 以前は天然ものが主流でしたが、現在では養殖されたものも出回っています。
- 出荷している産地ごとにウイルス・細菌類の検査を受け、検査証明書と一緒に出荷されています。

食材データ
- いわがきは非常に栄養豊富です。主にタウリン,グリコーゲン,亜鉛,ビタミンB1・B2・B12が特に豊富です。
- 食べ方は生食が美味しいのですが、体調によっては食中毒をおこすことがあるので注意が必要です。
- 火を通した、焼きがき、ムニエル、かきフライもおすすめです。

今回は、川崎魚市場株式会社特種課の
せり人 渡部さんにお話しをうかがいました
取材協力:川崎魚市場株式会社
写真協力:株式会社イワダイ、株式会社川崎金星水産
(今が旬!夏-7「いわがき」平成20年8月作成)
お問い合わせ先
川崎市経済労働局中央卸売市場北部市場業務課
住所: 〒216-8522 川崎市宮前区水沢1-1-1
電話: 044-543-5271
ファクス: 044-975-2242
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