さより(旬の魚・青果・花)
- 公開日:
- 更新日:

サンマやトビウオの仲間
サヨリは、同じダツ目のサンマとよく似たほっそりとスマートな体型をしています。
サヨリは群れを組み、水面下を矢の様に走りまが、同じダツ目のトビウオと似ていて、危険が迫ると、尾びれで水面をたたき、跳躍して逃げるという習性があります。
鋭い角のように見えるのは、実は下顎です。上顎は小さな三角形の弁状にしか過ぎませんが、下顎は長く突き出しています。この極端な「うけぐち」をスプーンのように使って、エサのプランクトンをすくいとっているようです。

全長30cmを超える近海物のサヨリの入荷がありました

下顎が極端に長く突き出しています

下顎でエサのプランクトンをすくいます

海の貴婦人か 腹黒い人物か
サヨリは素晴らしく美しい姿や下顎の先端が紅をさしたように紅いことからから「海の貴婦人」と賞賛されますが・・・
実は、サヨリの腹を割いて内臓を取り出すと、腹の内側は真っ黒なんです。
このことから、「サヨリのような人」というのは「腹黒い人物」を指す例えになったようです。

下あごの先端が紅をさしたように紅い

プロの目利き
サヨリは陸地近海に生息し、北は北海道から南は台湾までとれますが、北部市場では、茨城、千葉、神奈川、静岡、愛知、鹿児島からの入荷が多くあります。旬は3月から5月と言われていましたが、初物が珍重されはじめ、11月から入荷が増えるようになり、東京湾内の物は4月になると入荷が少なくなります。
大型(30cmを超える)のものは、観音開きの門を閉める時に、横に通す閂(かんぬき)棒に似ていることから「かんぬき」と呼ばれるます。ちなみに、小型のもの(10cm~15cm)は、「鉛筆」(えんぴつ)と呼ばれます。

「かんぬき」と呼ばれる大型のサヨリ

サヨリの鮮度を見分けるには・・・
- 透き通るような銀色のツヤのあるものを
- 腹のしっかりしたものを
- くちばしの紅色が鮮やかなものを

春の訪れを告げる魚
脂肪の少ない淡白な高級魚です。鮮度落ちが早いので、早く内臓を取り除き、料理するまでの間は冷塩水につけて置くと、光沢が残り、味も落ちません。刺身など非加熱で調理するときは、たて塩にすると持ち味の甘みが引き立ちます。
春の訪れを告げるくれるように、刺身、昆布じめ、椀だねなど、料理に季節感の出る魚です。

お魚データ
- 種名 サヨリ(Hyporhamphus sajori)
- 綱名 硬骨魚綱(Osteichthyes)
- 目名 ダツ目(Beloniformes)
- 科名 サヨリ科(Hemiramphidae)
- 属名 サヨリ属(Hyporhamphus)

特徴
- 春には30cmを超えるものも
- ほっそりとスマートな体型
- 口は小さく、下あごが長く突き出ている
- 体色は、背中は青緑色、腹側は銀色
- 腹の内側の幕が真っ黒い

食材データ
- 白身で癖がなく、上品な味
- 長さを生かした刺身
- さっぱりとした椀だね
- 一夜干し、干物も
- 脂肪がほとんどないので、エネルギーが低い
(今が旬!春-5「さより」 平成20年3月作成)
写真撮影協力:(株)カワサキ大二、川崎魚市場(株)
お問い合わせ先
川崎市経済労働局中央卸売市場北部市場業務課
住所: 〒216-8522 川崎市宮前区水沢1-1-1
電話: 044-975-2211
ファクス: 044-975-2242
メールアドレス: 28hogyo@city.kawasaki.jp
コンテンツ番号23999
