「保険金を使って無料で住宅修理ができる」と誘われ契約してしまったが・・・
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相談事例

高齢の父が来訪してきた事業者から「1月の大雪で雨どいが壊れている。火災保険を使って修理しないか。損害保険会社への申請は当社が代行する」と誘われた。以前も自然災害で壊れた箇所があった。その時は家を建てた建築業者に連絡をして、火災保険で修理工事をしたことがあったので、父は疑いもなく『火災保険申請及び雨どい修理工事の契約』を交わした。しかし、契約書をよく読むと、修理工事内容が未確定なのに、修理工事費用として支払われた保険金の全額を事業者に支払うことになっていた。また、保険金が認定されたあとで、この事業者に工事を依頼しない場合、キャンセル料として保険認定額の50%を支払うことも記載されていた。不審になった父は「解約したい」と言うが可能か。

アドバイス

- 自然災害が起きるたびに、「保険金を使って修理工事ができるので、自己負担はない。」などと無料を強調した住宅修理工事契約に関する相談がセンターに寄せられています。
- 火災保険は、大雪や台風、集中豪雨等の自然災害による住宅の損害も補償範囲となり得ます。しかし、保険会社に経年劣化と判断されると、支払の対象から外れてしまうことがあります。
- 多くの事業者は「保険金の請求申請代行」と「住宅修理工事」の契約を一連の契約としています。事業者が申請代行するといっても、実際は消費者が事業者によって作成された見積書等の必要書類を加入している保険会社に申請して、保険金を請求することになります。
- 保険会社が調査をして、保険事故に該当すれば、保険金が支払われます。しかし、事例のように、契約書に『修理工事費用として支払われた保険金の全額を事業者に支払うこと』となっているケースも多く、工事前に全額を支払ってしまうと、いい加減な修理工事で終わらせたり、追加工事費を要求されたりするトラブルにつながりかねません。
- また、契約書に「保険金が認定されたあとで、修理工事を解約すると『違約金』として保険認定額の50%の料金を請求する」等と記載されていることが多く、解約の申し出をすると、契約書の規定を根拠に高額な違約金を請求されたというトラブルもあります。高額な違約金は、消費者契約法上の不当条項にあたり、契約の無効を主張できる可能性もありますが、妥当な違約金の話し合いが必要です。
- 事例のように突然の訪問販売や電話勧誘販売で「保険金の請求申請代行」や「住宅修理工事」の契約をした場合、契約書面受領日から8日間はクーリング・オフができます。また、書面を受け取っていない場合や書面に不備(クーリング・オフの記載がない等)がある場合には、8日を過ぎてもクーリング・オフの申し出が可能です。
- トラブルにならないために、普段から加入している火災保険の補償対象を確認しておきましょう。また、保険金の請求方法などは保険会社に事前に問い合わせておくのがよいでしょう。困ったことがあれば、早めに消費者行政センターに相談してください。
住宅工事に関する相談窓口 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター 電話相談「住まいるダイヤル」 0570-016-100
ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルでも、個々の契約等の状況や問題発生の時期等が異なれば、解決内容も違います。
身に覚えのない請求書が携帯やパソコンのメールに届いても無視をしましょう。
困ったときはすぐに、消費者行政センターに御相談ください。

相談窓口はこちら!(川崎市在住・在勤・在学の消費者)
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